AUDIO DRAMA TOUR 「饗宴のあと アフター・ザ・シンポジウム」 "幻想絶佳:アール・デコと古典主義"展内

東京都庭園美術館本館図面
日本大学生産工学部図書館蔵
Copyright 2015 After the Symposium.
AUDIO DRAMA TOUR

饗宴のあと アフター・ザ・シンポジウム


かつて皇族の邸宅だった庭園美術館本館を使った、初の演劇/映画作品

過去・現在・未来、3つの時間の層を繋ぐ、「観客/登場人物」の物語

戦前は皇族の邸宅として、戦後は外務大臣公邸として、高度成長期はプリンスホテル迎賓館として使用されてきた東京都庭園美術館本館。いわば日本近代史の華やかな表舞台であったこの歴史的建物を「記憶の器」と捉え、そこにあり得たかも知れない過去、現在、未来の3つの時間が交錯するフィクションを創出します。観客はヘッドフォンを装着し自由に館内を回遊しながら、そこに存在するかも知れない人物達や空間、記憶との対話を通じて、自らも歴史と未来を繋ぐ「観客/ 登場人物」として「饗宴のあと」を体感することになるでしょう。


2015年1月17日(土)- 4月7日(火) 10:00 - 18:00
会場:東京都庭園美術館 本館
参加料|無料 「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」展入場者対象
東京都庭園美術館プログラム 響宴のあとOFFICIAL




      東京都庭園美術館 HP
 Address  〒108-0071
東京都港区白金台5-21-9 Access
 Hours  10:00~18:00(IN:17:30)
 Tel  (81 3) 5777 8600

東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)という瀟洒な有形文化財をまるごと使った体験型演劇映像作品「響宴のあと」
アールデコな空間で立体音響を駆使したミステリアスで壮大な世界感に包まれる60分間!
過去や未来そしてIFの世界の観客になろう!

という宣伝。



目黒駅から歩いて8分程。門からお屋敷まで結構歩きます。

左右非対称・角ばり具合がアールデコ感満載

庭園はしばらくお休みです

アールデコ建築の門前に、もふもふな阿吽の獅子

入り口 幻想絶佳:アール・デコと古典主義展が開催中
館内は一部を除いて撮影禁止。素晴らしい内装は公式ホームページ
響宴のあとプログラムは、実際の館内と時代を移動しながらその部屋にまつわるドラマが進行。
ウェルカムルームでipodtouchと高音質用ヘッドホンを借りて1階 大広間からスタートします。
立体音響なので、後ろに電球が落ちてきたり、至近距離で馬に威嚇されたりしますがオーバーリアクションをしてはいけません。他のお客様から"何だこいつ"といった目で見られないように平常心に努めましょう。

ここに暮らした皇族の方々の手記や国立国会図書館等に所蔵されている公文書など、膨大な歴史資料のリサーチから出発した。当時の皇族の方々の暮らしぶりや、国家の未来を背負った高官達の思想を浮かび上がらせるに十分なものだった。家族の食卓ではフランス語が話されていたこと、殿下の居間やベランダにはカナリアが羽ばたいていたこと、活発な議論や証言の横では議事録のタイプライターの音が響いていたこと・・・私たちがこうした歴史資料から知り得る膨大なディテールを、部屋ごとに振り分け、深田晃司がそこで起こったかも知れないフィクションとして長いシナリオを執筆した。

プロデューサー・ノートより抜粋


一室に長くとどまり、端末片手にヘッドホンをしている方がいらっしゃいましたら、おそらくトリップ中の観客です。

ツアーの移動履歴

1階 大広間
案内役のお姉さんと一緒に廃墟を歩くようなミステリアス導入編
嗄れた鳥の声、暖炉の上の割れた鏡、引き剥がされた絨毯、結構な頻度で落ちてくる電球。
歩くたびに割れたガラスや砂利を踏みしめるような足音がしている。
目の前に広がる瀟洒な空間とは大違いな場面に戸惑いながらも次の部屋へ。

1階 小客室
「壁のシミが見えますか?昔はここ絵が描かれていて、ここはその昔美術館でした。」
おそらくIFの世界に入っている?現在の小客室の壁にはアンリ・ラパンの油絵が描かれているので、この絵が色褪せ、消失した未来視点なのかも?
穏やかな馬の蹄の音が近づき、美術品や建物の来歴に感嘆する声が聞こえる。ぼやけたような、聞き取りにくい声。これが記憶の器の声なのか。
この小さい音声を聞き取ろうと音量を最大にしていると、クリアな音声の馬に大音量で威嚇される。

1階 大客室
アールデコとアンリ・ラパンの芸術が詰め込まれた華やかな大客室
レコードの音楽、社交場の歓談の声を通りすぎる。足元は依然廃墟然としてざらついている。

1階 大食堂
半円形に張出し大きく高い窓が光を取り込む広く開放的な作り。壁一面のレリーフや芸術が詰め込まれた豪奢な食堂。カーテンやら照明やらひたすら素敵なゴールドなイメージの部屋。
色とりどりの鳥や動物の声、貴族社会の衰退、哲学的なことを語る女性の声。
次の部屋に移動する際、中庭に抜ける扉に通りかかると激しく犬に威嚇される。野犬か?

1階 小食堂
小食堂(進入不可なので実際は少食堂前の廊下)は七分半に迫る最長トラック。
心地よい鳥の鳴き声、フランス語で会話するご家族の団欒から、お屋敷がサイレン鳴り響く戦火に巻き込まれる緊張の場面。水をください。

1階 廊下
飛行機の音が去り、廊下から客室へ。歓談の声、女性の語らいのバックに流れるレコード。
顔も知らない相手との結婚話に、戦争時代からの場面転換が伺える。
複数の女性が笑いながら駆け抜けていく。若干不気味さを残しつつ2階へ。

2階 広間
「そこのソファーへお座りになりませんか?」休憩も入れてくれる親切なツアー。
凝った意匠の階段を登ると大きく窓をとった広間に作り付けのソファ。
警備員さんが丁度立っていましたので、手に持っていたiPod touchを見られた気がする。
撮影してませんよ、ツアー中ですよ的な素振りでソファーに座ります。
新しいレコード曲をバックにこの家の持ち主の変遷について。
吉田茂が日米安全保障条約について話しあうため書斎へ向かっている。

2階 若宮寝室・居間
鳥のさえずりとグレゴリオ聖歌っぽい男声コーラスに聞き入っていると、また電球が落ちてくる。
お化け屋敷か!怖いわ。若宮寝室を通って殿下書斎へ。

2階 殿下書斎・居間
お茶を注ぐ音?何かに火を灯すような音でスタート。なんか展示中だったみたいで殿下居間暗かったのでリンクしているのか?そしてTwitterの「あなたの…心に…直接…」みたいなノリで難しいことをささやかれる。
(建築は…記憶の器です)
(これからあなたは…法や政治制度に向き合って…それらを形作っている知覚・身振り…態度の集合体としての共同体に…活力を取り戻すのです…)

2階 殿下寝室
隣の第一浴室のシャワー音が聞こえる。一匹の鳥の声。寝室で鳥飼ってるの?
ところどころタイプライターのような音。

2階 ベランダ
庭を望めるベランダ、鳥や馬の声。
しばしの議論の内、タイプライターの音が暴走して終了です。


最終トラックでは、言葉の捉え方に差異がある、アメリカ国立公文書記録管理局所蔵の朝香宮鳩彦王殿下の項目を読むなと言われる。
これはまさか4巻セットで21万円超え、全巻セットで220万円超えの本「国際検察局(IPS)尋問調書
を読めとの前ふりなのでは…?!因みに朝香宮殿下は8巻に収録です。
さすがに買えないので、国会図書館の複写サービスを頼みました。

正味60分楽しみました。

妃殿下居間は撮影ok!大倉陶園のクラウン
デュパのティー・タイム(大田はるの)
ジャン・デュパの絵画《射手》インスピレーションによる妃殿下のティー・タイムセッティング
レイモン・シュブの肘掛け椅子




折角なので色んな角度から

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